使える表現

「自分の仕事を委任する時」に使えるフレーズ

BBTオンライン英会話教材から“ビジネスに役立つフレーズ”をご紹介するシリーズ、

今回は

「自分の仕事を委任する時」に

役立つフレーズをお届けします。

今回も、とあるオフィスの場面を想定し、自分の仕事の代理を同僚に依頼する時のNGアプローチと理想的なアプローチを交えてご紹介します。

今回の想定シーン

某家電メーカーの海外オフィスでプロジェクトリーダーを務めているとしましょう。

現地で進行中のプロジェクトマネジメントで多忙な日々を送っていますが、最近子供が産まれたため、業務量を少し減らして、その分プライベートな時間を増やしたいと思っています。

そこで、メンバーのSethに、あなたの業務の一部をしばらくの間代理で担当してもらえるよう依頼することにしました。

まずは、好ましくないアプローチをみてみましょう。

NGアプローチ

“Seth, I want you to do some of my work for now because I recently had a baby and I want to spend more time with my family. Specifically, I need you to manage production staff schedules until my baby turns six months old.”
(Seth、私の業務の一部をしばらく君にお願いしたいんだ。最近子供が産まれたから、家族と過ごす時間を少し増やしたくてね。具体的には、子供が6ヶ月になるまで、製造スタッフのスケジュールを管理して欲しいんだ。)

みなさんはこのアプローチのどこが問題だと思われますか。

NGポイント①
“I want you to do ~.”は依頼表現の1つではありますが、そのニュアンスは「あなたに~して欲しいのです」という直訳の通り、自分の希望を一方的に押し付ける、命令に近いものです。私的な都合により自分の仕事の代理を依頼するような場面では不適切ですので、もっと丁寧な依頼表現を使うようにしましょう。

「丁寧」と言っても、“I would like you to do ~.”とするだけでは、まだ強制的なニュアンスが強いので不十分です。英語では一般的に「相手に断る余地があるのが丁寧な依頼表現」とされますので、「~をお願いしても構いませんか?」のような、まずは相手の都合をたずねるような言い回しを使うと良いでしょう。

NGポイント②
“I need you to do ~.”は“I want you to do ~.”より更に強いニュアンスの表現ですので、上司が部下に問答無用の指示をだすような場合を除いて、ビジネスシーンでの依頼には避けた方が無難です。頼みごとの内容を説明する時でも、あくまで依頼ですから、相手が場合によっては“No”と言える丁寧な表現を使うようにしましょう。

では、理想的なアプローチ例を見てみましょう。

理想的なアプローチ

“Seth, I need to ask you to do something for me because I recently had a baby and I’d like to spend more time with my family. Would it be possible to have you manage production staff schedules until my baby turns six months old?
(Seth、ちょっとお願いしたいことがあるんだ。最近子供が産まれたから、家族と過ごす時間を少し増やしたくてね。子供が6ヶ月になるまで、製造スタッフのスケジュール管理を担当することはできるかな?)

注目フレーズ①
I need to ask you to do something for me.
(あなたにお願いしたいことがあります。)

人に何か頼みごとを切り出す時に役立つ、決まり文句とも言えるフレーズです。

NGアプローチにも登場した“need”が含まれていますが、「~しなければならない」動作の主体はここでは“you”(あなた)ではなく“I”(わたし)ですので、強制的な依頼とは対照的に、「私がお願いしなければならず申し訳ないのですが・・・」という謙虚な姿勢を示すことができます。

人に依頼を切り出す時の決まり文句としては、「親切な行為・世話」などの意味を持つ名詞“favor”を使った次のフレーズも一般的でよく使われます。

I need to ask you for a favor.
I have a favor to ask.
Could you do me a favor?
Would you mind doing me a favor?
(あなたにお願いしたいことがあります。)

注目フレーズ②
Would it be possible to have you ~ ?
(あなたに~してもらうことはできますか?)

こちらのフレーズは“Is it possible ~?”(~は可能ですか?)を基本としており、直訳の通り相手の都合を確認しながら依頼を行う表現ですので、丁寧な依頼表現と言えます。このように質問されれば、もし都合が悪くても、相手は断り易いと言えるでしょう。

また助動詞“would”を使うことで、より一層丁寧なニュアンスが増しています。

後半の“have”は“have + 人 + 動詞の原形”で「人に~してもらう」という意味になる使役動詞として使われていますので、全体として「あなたに~してもらうことは可能ですか?」という意味の、非常に丁寧な依頼表現になるのです。

使役動詞の“have”を使わずに
Would it be possible for you to ~ ?
としても、同じように丁寧に依頼することができますので、こちらの表現を使っても良いでしょう。

自分の仕事を委任する時のポイント

ここでは、英語表現から少し離れて、自分の仕事を委任する時のポイントを3つ挙げておきましょう。

1.まずは仕事を頼もうとしている相手が、該当業務を遂行できる力量があるかを見極めることが大事です。快く引き受けてもらえても、実行段階で問題が起きると後々厄介ですので、人選は慎重に行いましょう。

2.丁寧に依頼する必要はありますが、何をお願いしたいのかは明確に伝える必要があります。曖昧な情報では相手が判断に迷うでしょうし、後でトラブルの元になる可能性があります。

3.依頼した相手に快諾してもらえない場合でも、仕事の内容や時期などを変えることで引き受けてもらえるかもしれません。どうすれば引き受けてもらえるか、相手の意見をうまく引き出しながらお互いの妥協点を見つけていく話の進め方が理想的です。

まとめ

自分の仕事を委任する時には、たとえ相手が部下であっても、一方的な命令口調は失礼で不適切です。うまく協力してもらえるよう、相手の意見も聞きながら丁寧に依頼するようにしましょう。

今日ご紹介したフレーズは、自分の仕事を委任する時だけに限らず、人に何かをお願いしたい時に広く使えるものです。

ぜひ積極的に活用して、タスクマネジメントにお役立てください。

※今回の引用:
マネジメントコースの業務系・レッスン19「Requests and Delegating Tasks」

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