英語学習

ビジネスシーンで頻出ワード「Appreciate」を使いこなすコツ

木内裕也
PEGL[ぺグル] -実践ビジネス英語講座- 講師

皆さんはAppreciateという動詞をどれくらいの頻度で使うでしょうか? ネイティブスピーカーは少しフォーマルな場でよく使います。友達や家族との日常会話ではそれほど使わないですが、職場であったり、初対面の人に対してなど、少し丁寧な表現を使いたいときに便利な動詞です。

最もよく使われるのは、「感謝」の意味。Thank you for your contribution.という代わりに、I appreciate your contribution.などと言えます。決してThank you.だけだと失礼というわけではないですが、Appreciateは動詞としても丁寧ですし、主語+動詞という文章の要素がきちんとそろっていますから(Thank you.はそうではないですね)、その点から考えても丁寧な響きがあります。

また、I appreciate you.などということもあります。これは、ある特定のことに対して感謝を伝えるというよりも、いろいろ手伝ってくれた人などに対しての感謝を伝える表現。具体的な行動に感謝するのではなく、相手の存在に感謝というニュアンスですから、それだけ感謝の念も強くなります。例えばあるプロジェクトで苦労していた2週間、同僚が色々と気にかけてくれたとします。そんな時に、Thank you for making sure I was doing well.ということもできますし、I appreciate you making sure I was doing well.ということもできます。具体的に「気にかけてくれた」ことに対する感謝ですね。しかしI appreciated you during the last two weeks.といったら、相手の存在に感謝ということ。その場にいてくれただけで、もしくは何かあったら相談できると気持ちだけで気が楽になった、という時などに使えます。

また、Appreciateには「感謝」だけではなく「価値を認める」という意味もあります。「感謝」と似た印象ですね。そのため、Your contribution is not sufficiently appreciated.といえば、「あなたの貢献が感謝されていない」という意味よりも、「あなたの貢献度がきちんと評価されていない」というニュアンスになります。また、OverやUnderといった接頭辞を使うことで、His work is overappreciated.やHis work is underappreciated.という言い方もできます。Overappreciatedであれば、過剰評価されているということですし、Underappreciatedであれば、過小評価されているということ。

金融などの領域では、為替相場のレートの話をするときにAppreciationを使うことが多いです。Appreciation of yenと言えば、「円の価値が評価されている」という意味ですから、円高。Depreciationであれば、円安です。


筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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