英語学習

Googleを動詞で使う

木内裕也
PEGL[ぺグル] -実践ビジネス英語講座- 講師

Googleはもちろん有名な検索サイト名なので、固有名詞です。しかし動詞で使われることのほうが断然多いです。例えば「検索する」というのはSearchやLook upといった表現が思い浮かぶでしょう。

I will have to search for some information about the pandemic online.

といえば、「オンラインでパンデミックの情報を検索しないといけない」の意味。

I will have to look up the number of the restaurant on its website.

ならば、「レストランの電話番号をサイトで検索しないといけない」の意味です。

どちらもなじみのある単語や表現ではないでしょうか。しかし、もっと単純にI will have to google some information.やI will have to google the phone number.などという表現もよく使われます。

日本語でも「サランラップ」や「バンドエイド」のように商品名が日常会話で一般名詞のように使われることがあります。これらの商品がどれだけ社会に浸透しているかの指標にもなります。英語でも似たようなことがあり、Googleは「検索する」という意味で使われます。

時にはI will google the diagnosis on WebMD.(WebMDで診断を検索してみる)のように言われることも。WebMDは医療情報をまとめたWikipediaのようなページで、ちょっと体調がすぐれないときに気軽にアクセスできるページ。WebMD上で検索するので、Google on WebMDは表現としておかしな感じがあります。WebMD上でGoogleするわけではないからです。しかし、そんな表現が生まれるほど、Googleの動詞化が広がっています。日本語であれば、「YahooでGoogle検索してみる」と言っているような感じでしょうか。

何か質問をされた人が、You should just google it.「Googleで検索すればいいじゃない」などと答えることも頻繁にあります。このように、情報を頭の中で記憶しておくのではなく、必要な時にGoogleなどで調べてアクセスすることを、Just-in-system knowledgeとも呼びます。Just-in-systemとは、トヨタが世界に広めた製造ラインなどのシステムでもあります。必要な時に必要な部品を調達するシステム。部品をたくさん作って在庫にしておくわけではありません。同じように、必要な時に必要な情報を検索する様子が、この製造や在庫管理システムに似ているのでJust-in-system knowledgeと呼ばれるようになったのです。


筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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