ビジネス

差別化できるプレゼン表現

木内裕也
PEGL[ぺグル] -実践ビジネス英語講座- 講師

人前で話すのが大好き、という人はあまりいないようです。しかもビジネスのプレゼンはどちらかといえば避けたい、という人は多いでしょう。また、英語でのプレゼンとなると、一層難易度が上がるかもしれません。

とりあえず英語でプレゼンをした経験はある、またプレゼンをしなければならない機会がある、という人に、いくつか差別化につながるプレゼンで使える英語表現を紹介したいと思います。

まずはオープニング。Good morning, everyone. Before I start, I would like to thank …のように、一言感謝の言葉を入れるだけでも印象が変わります。I would like to thank my team members who helped me make these slides.という風に一緒に仕事をした同僚に感謝の言葉を言うこともできます。もしくは、I would like to thank all of you for giving me an opportunity to share how we believe our product can help you improve your efficiency.のように、プレゼンの機会を与えてもらったことに感謝を伝えてもいいでしょう。「挨拶+感謝+本題」という流れは多くのプレゼンで使われています。緊張していると、挨拶すらせずにいきなり本題に入ってしまうということもありますが、この3ステップで本題に入るとよいでしょう。

プレゼンを始めると、自分でスライドをコントロールしていない場合、「次お願いします」などが繰り返されるのは理想的ではありません。もっとスムーズにスライドを先に進めたいものです。これは英語でも同じ。Next please.を多用するプレゼンターほど、プレゼンテーションの内容にワクワクさせる要素が少ないようにも感じます。そんな時に使えるのが、スライドをコントロールしている人へのヒントとなる表現。例えば、As the next slide shows,やYou will see on the next slide thatなどというだけで、スライドをコントロールしている人は「次のスライドに移ってほしいんだな」とわかります。プレゼンを聞いている人にとっても、不自然な表現ではありません。同じように、If you look at the earlier slide with a table,など言えば、数スライドさかのぼって、表のあったページに戻ることができます。Can you go back to Slide 9?などと、スライドをコントロールしている人に言うより、ずっと自然です。

もしくは、Let’s spend a few more minutes on this slide.などの表現も便利。まだ先のスライドに進まなくてもよい、というメッセージであると同時に、聴衆に対しては「ここが重要なんですよ」というメッセージにもなります。

このように、スライドを操作している人に直接話しかけるのではなく、聴衆に話しかけながらも操作している人へのメッセージとなる表現を使うと、プレゼンが少しスムーズに進むでしょう。


筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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