ビジネス

会議の開始時間

木内裕也
PEGL[ぺグル] -実践ビジネス英語講座- 講師

日本のビジネスの慣習では、会議のスタート時間に厳しい、とよく言われます。しかし、その反面、会議の終わりの時間にはルーズとも言われます。「4時までって言ったのに、まだ延長してる」という会議は少なくないでしょう。どうしても時間通りに終わらせないといけない会議で、「では、残りは持ち越しで次回話しましょう」となることもあれば、もしくは議題の終わりにある内容はあまり議論がされずに終わることも。時間に厳しいのに、時間のマネージメントに弱い、とは日本人のステレオタイプとして言われることがあります。

終わりの時間にルーズだと、次の会議に遅れてしまう、ということも生まれます。もしくは、1つ前の会議で会議室が使われていて、次の会議が始められない、ということもあるでしょう。いろいろな理由で会議を時間通りに始められないことがありますが、遅刻者を減らす策の1つとして、開始時間を工夫する、というのがあります。

例えば、午後3時の会議と、午後3時25分の会議。前者より、後者の方が遅刻者が少ないです。もしくは午後3時5分にスタートとしてもいいでしょう。もちろん、5分間の余裕があるから、というのも1つの理由。しかし、ほかにも理由があります。

「あ、もう3時になる!」と思った時には、3時の会議には遅れてしまいます。しかし5分の余裕が遅刻者を減らします。あまり「もう3時5分になる!」という思考は浮かばないもの。また、「3時」というスタート時間は良くありますから、あまり頭に残りません。しかし「3時5分」とすることで、頭に残りやすくなります。したがって、定期的に時計を確認して遅れないようにすることができます。また、多くの会議が2時から3時、という風に設定されていますので、5分間の余裕が、トイレに行ったり、会議室を移動したり、という時間にも使えます。

私が経験した会議でも、2週間に1度、火曜日の正午からの定例会議がありました。遅刻者が減らず、時には10分近く遅れてスタートになることも。しかし12:05スタートにしてみたら、遅刻者が格段に減ったということがあります。

ちなみに、1時、2時、3時といった正時のことを英語ではTop of the hourと言います。そして1時半、2時半などをBottom of the hourと言います。アナログ時計の長針がTop(上)を指している、もしくはBottom(下)を指している、というところに由来する表現です。


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筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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