アメリカの習慣

Take a pennyの習慣

買い物に行って会計を済ませたら、例えば合計金額が1001円だったとします。手持ちが1000円札と500円玉しかない場合、1500円出して499円のお釣りをもらうことになりますね。100円玉があったとしても、99円のお釣りをもらいます。

アメリカで買い物をしていて、例えば$10.01だった時など、似た状況になります。20ドル札しか手元にないと、$9.99のお釣り。5ドル札1枚、1ドル札4枚、25セント硬貨3つ、10セント硬貨2つ、5セント硬貨1つ、1セント硬貨4つというお釣りです。お客さんも小銭が増えて面倒ですし、お店にたくさんの硬貨があるとも限りません。特にクレジットカードが中心の生活をしていると、お店のレジに十分な硬貨がないことも少なくありません。

そんな時に便利なのが、Take a penny. Leave a penny.という習慣。レジの横に小さなトレーがおいてあり、そこに小銭があるのです。日本で言えば1円玉か5円玉。アメリカなら1セント硬貨や5セント硬貨があります。$10.01の買い物をして、10ドル札が2枚しかない時など、10ドル札1枚と、レジ脇のトレーにある1セント硬貨を1枚使って支払いをします。もしくは20ドル札1枚とレジ脇の1セント硬貨を使い、10ドル札をお釣りとしてもらいます。

逆に$19.96の買い物をして、4セントのお釣りをもらった時などは、Take a penny. Leave a penny.のトレーに、4セントのお釣りをおいて帰ることもあります。1円、2円のために手持ちの小銭が増えて煩わしくなるのは嫌だ、という場合に便利です。

このようにちょっとした小銭で人助けをする習慣は、店頭のレジだけではありません。例えば公共料金。電気料金の支払いの時に、例えば$48.70の請求だったとします。もちろん、$48.70の支払いをすることもできるのですが、あえて$49まで繰り上げて支払いをすることもできます。もしくは、$50の支払いも可能。余剰分の支払いは、様々な理由で公共料金の支払いが滞ってしまっている人の支払いに使われます。

金額自体は非常に小さなものですが、ちょっとした人助けになるこのような習慣は、なかなか日本では目にしないものではないでしょうか。

筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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