アメリカの習慣

断り方

木内裕也
PEGL[ぺグル] -実践ビジネス英語講座- 講師

夜遅くまで駅前の居酒屋で同僚や上司と飲む、というのはコロナの前から少なくなっているようですが、日本的習慣の1つでもあります。「そういう席は嫌いなので、誘われたらすぐに断ります」という人もいれば、「断りたいけど、断るのも悪いので、割り切って我慢して参加します」という人も。

半強制的に上司と遅くまでお酒を飲む(飲みすぎる)のは関係ベースの文化では比較的ある様子。しかし、会社の同僚や時には上司と飲む、ということはアメリカなどでもあります。頻度は少ないですが、普段は別のオフィスで働いている同僚が、会議で皆さんのオフィスに来ているとなれば、仕事の後にちょっと飲む、ということはあるでしょう。1時間~2時間程度です。少し早め、4時ごろに仕事が終わり、すぐ帰宅してもいいけど、1時間くらい同僚と飲む、ということもあります。夕食は家族と食べるので、長く飲むことはしません。

とはいえ、別の予定があったり、あまり飲みたい気持ちでなかったりして、そんな誘いを断らなければならないこともあります。Do you want to grab a drink after work?(仕事の後、1杯飲まない?)と誘われて、No.とかNo, thank you.ではせっかく誘ってもらったのに素っ気ないです。No, thank you.は言い方次第ですが、「2度と誘わないで」というニュアンスにもとられます。

もしも断るときは、Thank you. I would love to. But I have to go home to pick up our son.(誘ってくれてありがとう。行きたいけど、息子を迎えに行かないといけないんです。)とか、That sounds fun, but I need to be home by 6pm.(楽しそうだけど、家に6時までに帰らないといけないんです。)といった断り方ができます。細かい理由は不要ですが、「野暮用がありまして……」とは違った、ちょっとした理由を付けることができれば、失礼になりません。

誘う側は「来てくれると良いな」とは思っているでしょうが、断られたらそれを素直に受け入れます。I would love to join you next time.(次の機会に参加させてください。)などと言ってもいいですね。Rain checkという表現もあります。Can I take a rain check?というのは、「今回はダメだけど、次回、お願いします。」の意味。無理せず、楽しみながら人間関係の構築ができるとよいですね。


筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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