使える表現
「怒った相手をなだめる時」に使えるフレーズ
BBTオンライン英会話教材から“ビジネスに役立つフレーズ”をご紹介するシリーズ、
今回は
「怒った相手をなだめる時」に
役立つフレーズをお届けします。
今回も、とあるオフィスの場面を想定し、部下が怒らせた相手をなだめる時のNGアプローチと理想的なアプローチを交えてご紹介します。
今回の想定シーン
某医薬品メーカーの開発部門でチームリーダーを務めているとしましょう。
チームに新たに配属された女性スタッフKarenの歓迎会を昨晩開催したところ、あなたの目の届かないところでメンバーのToshiがKarenにセクハラとも受けとれる発言をし、Karenが気分を害していると報告を受けました。
これからチーム一丸となって新規プロジェクトを成功させようとしていた矢先の出来事。
あなたはなんとかKarenをなだめて、軌道修正しようとしています。
まずは、好ましくないアプローチをみてみましょう。
NGアプローチ
“Karen, I heard you’re upset because Toshi made some improper remarks to you last night. Can’t you just forgive him because teamwork is necessary for us to succeed in the new project?”
(Karen、昨晩Toshiが君に何か不適切なことを言ったために気分を害していると聞いたよ。新規プロジェクトの成功にはチームワークが不可欠だから、彼を許してやることはできないかな?)
みなさんはこのアプローチのどこが問題だと思われますか。
NGポイント①
“Can’t you ~ ?”は日本語訳すると「~できませんか?」となるので、「~してください」より丁寧な依頼表現に聞こえるかもしれませんが、英語では正反対で、「~することもできないんですか?(できないなんておかしい)」という攻撃的なニュアンスになるので、要注意の表現です。相手をなだめようとしている時などには逆効果ですので、絶対に避けなければなりません。
NGポイント②
全体的に、このアプローチでは、チームワークを乱しているKarenが悪いと責めているような印象を与えます。実際には、セクハラ的な発言をしたToshiに非があるのですから、Toshiの言動を正す方向で話を進めなければ、Karenの怒りが収まるとは期待できません。怒っている相手をなだめる時には、相手の感情を抑え込もうとするのではなく、肯定することから始めることも大事です。
では、理想的なアプローチ例を見てみましょう。
理想的なアプローチ
“Karen, I heard Toshi made some improper remarks to you last night. I understand why you’re upset. I’m sorry that this happened. I’ll do everything I can to make sure Toshi doesn’t do anything like this again in the future.”
(Karen、昨晩Toshiが君に何か不適切なことを言ったと聞いたよ。君が気分を害する気持ちはよく分かる。こんなことが起きて残念だ。Toshiがこのような問題を二度と起こさないよう、あらゆる手を尽くそう。)
注目フレーズ①
I understand why you’re upset.
(あなたが気分を害する気持ちがよく分かります。)
怒っている相手に対し、その怒りの感情を肯定する気持ちを簡潔に伝えることの出来るフレーズです。
なぜ自分が腹を立てているか相手が理解してくれていると思えば、怒っている当人も安心して話に耳を傾けてくれることでしょう。
“upset”というのはあまり馴染みのない単語かもしれませんが、英会話では「怒っている/動揺している/気が動転している」などの意味でよく使われる形容詞ですので、ぜひ覚えておくことをお勧めします。
注目フレーズ②
I’m sorry that this happened.
(こんなことが起きて残念です。)
こちらも、現在起きている問題について遺憾の意を表し、相手に寄り添う姿勢を示すのに役立つフレーズです。
また、that節中の主語が人ではなく”this”(この問題)であるために、誰のせいにすることもなく、ニュートラルに、また冷静に問題を捉えていることを表せるフレーズです。(この場面で必要以上にToshiを責めるのはチームリーダーとして適切ではないでしょう)
前回のブログでもご紹介しましたが、このような文章は“無生物主語”と呼ばれ、英語では動作の主体や責任を曖昧にしたい時によく使われます。
注目フレーズ③
I’ll do everything I can to ~.
(~するためにあらゆる手を尽くすつもりです。)
怒っている相手をなだめる時には、相手の感情に理解を示すだけでは不十分であり、怒りの原因を取り除く(将来同じ問題が起こらないようにする)具体的な策を講じることを伝えることも不可欠です。
このフレーズを使えば、まず「出来ることは何でもする」と断固たる態度を見せることが出来ます。
但し、「“何でも”って、具体的には何するの?」とならないように、後から実際の具体策をきちんと説明することを忘れてはいけません。
例えばこの場面であれば、Toshiと個別面談をしたり、セクハラ関連の研修の受講を義務付けたりすることなどが考えられるでしょう。
まとめ
怒っている相手をなだめようとする時には、まずは怒っている理由に理解を示して、相手の感情を肯定することから始めましょう。
早く怒りを鎮めてもらいたいがために「そんなに怒らないで」という態度で臨んでしまうと、逆に怒りを助長してしまう可能性が高いと心得ておく必要があります。
そして、問題の解決策を具体的に示すことが英語でのコミュニケーションでは特に重要です。もちろん、その具体策を実行に移す必要があるのは言うまでもありません。
あまり遭遇したくない場面だと思いますが、怒っている相手をなだめなければならない時には、ぜひ今日ご紹介したフレーズをご活用ください。
※今回の引用:
マネジメントコースの管理系・レッスン6「Internal Staff Conflicts」
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