使える表現

「相手の提案を拒否する時」に使えるフレーズ

BBTオンライン英会話教材から“ビジネスに役立つフレーズ”をご紹介するシリーズ、

今回は

「相手の提案を拒否する時」に

役立つフレーズをお届けします。

今回も、とあるオフィスの場面を想定し、同僚が実効性のない提案をした時のNGレスポンスと理想的なレスポンスを交えてご紹介します。

今回の想定シーン

某アパレルメーカーの人事部門で勤務しているとしましょう。

最近、全社的に残業時間が増えていることが問題となっています。

その問題について、部の会議で同僚のChrisが
“Everyone is working too much overtime, so why don’t we hire more people? That would lighten our workload per person.”
(みんな残業し過ぎなので、もっと人を雇ってはどうでしょうか。そうすれば一人当たりの仕事量が減るはずです。)
と提案しました。

しかし、業績が振るわない現在、採用コストや教育コストが重荷となる社員の新規雇用は現実的ではないため、あなたはChrisの提案を拒否しようとしています。

まずは、好ましくないレスポンスをみてみましょう。

NGレスポンス

“No, we can’t hire new people now. Our business results have been too poor recently.”
(今、新しい人を雇うのは無理ですよ。このところ我が社の業績は不振なんです。)

みなさんはこのレスポンスのどこが問題だと思われますか。

NGポイント①
冒頭から“No”で始めているため、とても直接的な否定文です。続く“we can’t hire…”も“why don’t we hire…?”と言っている相手の提案を真っ向から否定しており、冒頭の“No”と合わせて、非常に強い否定のニュアンスとなっています。相手を攻撃しているような印象を与える、失礼なレスポンスです。

NGポイント②
“Our business results have been…”の部分が理由のような形にはなっていますが、「なぜ業績不振だと人を雇えないか」の繋がりがイマイチはっきりしません。相手の提案を拒否するのであれば、正当な理由を明確に伝えた方が、否定された相手にとってもあなたの主張が受け入れ易くなります。

では、理想的なレスポンス例を見てみましょう。

理想的なレスポンス

I think it would be better to freeze hiring now because it would increase hiring and training costs when we’re struggling with poor business results. What about outsourcing some of our routine tasks?
(業績不振にあえいでいる今、新規採用は採用コストと教育コストが増大するので、凍結しておいた方が良いのではないでしょうか。代わりに、幾つかの定型業務をアウトソースしてはどうでしょう?)

注目フレーズ①
I think it would be better to ~ because ~.
(~なので、~した方が良いのではないでしょうか)

“No”という単語を使わず、「(~するよりも)~した方が良い」という間接的な表現で相手の提案を拒否する意向を穏やかに伝えることの出来る、優れたフレーズです。

直説法であれば“it is better”又は“it will be better”となるところ、仮定法の“it would be better”を使っているのは、「~した方が良い」というのが可能性の低い仮定の話だからではなく、「~した方が良いかもしれません」と文章全体を丁寧にする働きがあるためです。

同じく冒頭の“I think”も、「私は~と考えます」の意味というより、一種の婉曲表現であり、文章を丁寧にするのに役立っています。

また“because”以降で理由を明確に伝えていますので、あなたの意見が聞き入れてもらい易くなると期待できます。

注目フレーズ②
What about ~ ?
(~はどうでしょうか?)

“What about ~ ?”は「~はどうでしょうか?」と提案するのに役立つ、決まり文句です。

相手の提案を拒否するだけではなく、このようなフレーズを用いて代替案を提案することで、建設的な雰囲気で議論を進めることができるでしょう。

動詞が足りないような気がするかもしれませんが、加える必要はありません。

“about”は前置詞なので、後に続くのは名詞、または動詞であれば上記例文のように“~ing”の形にします。

提案を拒否された相手が譲らない場合には、とことん議論するのも選択肢ですが、少し時間をおいてみるのも有効です。ここでは、議論を先延ばしにする時に使えるフレーズも一緒にご紹介しておきましょう。

議論を先延ばしにするためのフレーズ

議論を先延ばしするにも、幾つか方法があります。その時々に応じて、適切な対応をとりましょう。

1)次に議論する日時を調整する
“Let’s think about it for a while. Could we talk about it in the next meeting?
(少し考えることにしましょう。次回のミーティングでもう一度話しませんか?)

“Could we talk about it”以降は、具体的な日時でも良いでしょう。

例)Could we talk about it later today at 4pm/on November 15th/next Friday?”
(今日の16時から/11月15日に/今度の金曜日にもう一度話しませんか?)

2)話題を変える
Let’s address that later and move on to the next agenda.
(その点についてはまた後で議論することにして、次のアジェンダに移りましょう)

もちろん
Let’s address that later and discuss the budget for now.”
(その点についてはまた後で議論することにして、予算の話をしましょう)
のように、別のトピックを具体的に話してもOKです。

3)他の人の意見を聞く
Let’s talk to Mr./Ms. ~ and see what s/he thinks.
(~さんの意見を聞いてみましょう)

まとめ

相手の提案が有効でない場合はしっかりと拒否する必要がありますが、相手に失礼に当たるような強いニュアンスで伝えては角が立って、その後の雰囲気や人間関係に悪い影響の出る恐れがあります。

ビジネスの場に相応しい丁寧な表現を用いてソフトなニュアンスで伝え、更には理由や代替案を添えて、建設的な議論をするよう心がけましょう。

そのような場面では、ぜひ今日ご紹介したフレーズをご活用ください。

※今回の引用:
ビジネスコースのレベル8・レッスン8「Rejecting Proposals」

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