使える表現
「プレゼン中に困った質問をされた時」に使えるフレーズ
BBTオンライン英会話教材から“ビジネスに役立つフレーズ”をご紹介するシリーズ、
今回は
「プレゼン中に困った質問をされた時」に
役立つフレーズをお届けします。
今回も、とあるオフィスの場面を想定し、プレゼン中のQAセッションで的外れな質問をされた時のNGレスポンスと理想的なレスポンスを交えてご紹介します。
今回の想定シーン
某半導体メーカーの購買部門で勤務しているとしましょう。
これまで原材料は中国から輸入していましたが、中国における物価の上昇によりコストが増加してきたため、材料の調達先をロシアに変更することになりました。
その変更点を製造部門のメンバーにプレゼンしたところ、QAセッションで
“Will engineers be attending the semi-conductor conference in Moscow?”
(今後エンジニアはモスクワで開催される半導体会議に出席することになるのか?)
と、購買には関係のない質問があげられました。
あなたはその質問に応答しようとしています。
まずは、好ましくないレスポンスをみてみましょう。
NGレスポンス
“Your question is unrelated to the Purchasing Deparment, so I don’t know the answer.”
(あなたの質問は購買部門に関係がありませんので、私には分かりません。)
みなさんはこのレスポンスのどこが問題だと思われますか。
NGポイント①
何の前置きもなく「あなたの質問は~関係がありません」と否定するのは、たとえ事実だとしても、せっかく質問をしてくれた方に失礼です。“your”(あなたの)という単語が含まれていることで、相手を攻撃しているような印象さえ与えます。他のオーディエンスの前で相手に恥をかかせる可能性のある、不適切なレスポンスです。
NGポイント②
あなたの部署には関係がなくても、別の部署の担当者であれば答えられるかもしれません。或いは、少し調べれば答えが得られる可能性もあるでしょう。「分かりません」で終わりにせず、「その質問の内容は~(人や部門)が担当です」「確認する時間をください」など、あくまでポジティブなニュアンスで応答できると理想的です。
NGポイント③
“I don’t know.”(分かりません)というのは、ビジネスの場では幼稚とみなされる応答ですので、注意が必要です。分からないのであれば、分からないなりに、ビジネスに相応しい表現を用いるようにしましょう。
では、理想的なレスポンス例を見てみましょう。
理想的なレスポンス
“I’m afraid I don’t have that information with me. I’ll have to defer to the Production manager about that.”
(申し訳ありませんが、情報がないのでお答えできません。その点については製造部門のマネージャーの判断にお任せすることになるでしょう。)
注目フレーズ①
I’m afraid I don’t have that information with me.(申し訳ありませんが、情報がなくてお答えできません)
基本的な意味は“I don’t know.”と同じ「分かりません」ですが、それをもっと丁寧に、ビジネスパーソンらしく伝えられるのがこのフレーズです。
「あなたの質問が悪い」というニュアンスのNGレスポンスとは対照的に、“I’m afraid”([私が答えられなくて]すみません)と謙虚に切り出しているところがポイントです。
“your question”(あなたの質問)という表現を使わず、代わりに“that information”(その情報)を使うことで、質問者に向けたパーソナルな発言ではなく、質問内容にフォーカスしたニュートラルな応答という印象になっている点にも注目です。
注目フレーズ②
I’ll have to defer to 人 about that.(その点については、~さんの判断にお任せします)
誰か別の人が判断して答えるべき質問をされた時の応答として、大変役に立つフレーズです。
あまり馴染みがないかもしれませんが“defer to 人”(人の判断に任せる、従う)という意味の句動詞をうまく利用した表現です。
“about”(~について)の代わりに前置詞“on”を使っても構いません。
他にも、「誰か別の人が答えるべき質問」以外の“困った質問”をされた時に使えるフレーズをここで幾つかご紹介しておきましょう。
確認する時間が必要な質問をされた場合
今日の注目フレーズ“I’m afraid I don’t have that information with me.”の後に、
“I’d be happy to get back to you.”(後でお答えさせてください)
と続ければOKです。
“get back to you”というのは直訳すると「あなたのところに戻ってくる」ですが、そこから「また後で連絡する」という意味の慣用句として、ビジネスの場では頻繁に使われている表現です。
プレゼンの質疑応答の場面で「後で連絡する」と言えば、当然「確認してからお答えします」という意味になりますので、「確認してから」の部分を敢えて言う必要はありません。
“I’d be happy to ~”は通常「喜んで~します」の意味ですが、ここでは「喜んで」というより、文全体を丁寧にするために使っていると理解してください。
既に説明した点について質問された場合
「もう説明したでしょう」と突き放すのではなく、あなたの説明が分かりにくかった可能性もあるので、「もう説明したのですが…」と前置きした上で、もう一度説明してあげると親切です。
その場合
“As I mentioned earlier, ~.”
“As I stated previously, ~.”
“As I’ve said, ~.”
(さきほど説明した通り、~です)
のようなフレーズで始めると流れがスムーズです。
まとめ
プレゼンの質疑応答は、プレゼンそのものと同じくらい重要なパートです。ここでしっかりと受け答えすることが、あなたのプレゼンの評価を左右すると言っても過言ではありません。
あなたが答えるべき質問にしっかり答えるのは当たり前として、“困った質問”をされても、質問者に恥をかかせることなく、ビジネスパーソンに相応しい表現でポジティブに対応することを心がけましょう。
そのような場面では、ぜひ今日ご紹介したフレーズをご活用ください。
※今回の引用:
ビジネスコースのレベル8・レッスン17「Fielding Difficult Questions」
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