使える表現
「ビジネスライクに値段交渉をする時」に使えるフレーズ
BBTオンライン英会話教材から“ビジネスに役立つフレーズ”をご紹介するシリーズ、
今回は
「ビジネスライクに値段交渉をする時」に
役立つフレーズをお届けします。
今回も、とあるオフィスの場面を想定し、購入予定の品の値段を確認して値下げ交渉する時のNGアプローチと理想的なアプローチを交えてご紹介します。
今回の想定シーン
某IT企業の総務部門で勤務しているとしましょう。
業績好調で社員を増やすことになり、事務用机を追加購入するよう上司から指示を受け、オフィス用品の通販カタログから候補を選びました。
カタログに定価の記載がありますが、割引が可能かどうか、あなたは販売元に電話をかけて確認しようとしています。
まずは、好ましくないアプローチをみてみましょう。
NGアプローチ
“How much is the office desk on page 6 of your mail order catalog if I buy 10 of them? Please give me some discount.”
(そちらの通販カタログの6ページに掲載されている事務用机を10台購入したらいくらになりますか? ぜひ割引してください。)
みなさんはこのアプローチのどこが問題だと思われますか。
NGポイント①
“How much is ~?”は値段を尋ねる時の決まり文句ではありますが、今回のようなビジネスシーンで使うとやや稚拙な印象を与えます。意味上の間違いはありませんが、もう少しビジネスに相応しい表現を使えると良いでしょう。
NGポイント②
“Please give us some discount.”は基本的に命令文であり、日本語で「まけろ」と言うのと同等のニュアンスですので、ビジネスパートナーに対して使うのは大変失礼です。“Please”を付けても命令は命令であり、丁寧なニュアンスにはなりませんので、注意が必要です。
では、理想的なアプローチ例を見てみましょう。
理想的なアプローチ
“Could you give me a quote on the office desk on page 6 of your mail order catalog? We are interested to purchase 10 of them. I’m wondering if there’s anything you can do about the price .”
(そちらの通販カタログの6ページに掲載されている事務用机を10台購入する場合の見積りをいただけますか? 割引が可能かどうか知りたいのですが。)
注目フレーズ①
Could you give me a quote on ~ ?
(~の見積りをいただけますか?)
丁寧な依頼表現の“Could you ~ ?”から始まる、ビジネスの場で値段を確認する時にぴったりのフレーズです。
“quote”は「引用」という意味で使われることの多い単語ですが、ここでは「見積り」の意味で使われています。“quote”の代わりに“estimate”を使っても同じ意味になります。但しその場合、直前の“a”は“an”に変える必要がありますので、ご注意ください。
例)Could you give me an estimate on ~ ?
最後“~”の部分で、値段を知りたいモノやサービスを具体的に説明します。
少したずね方を変えて
“Would you give me a price list of ~ ?”
(~の価格表をいただけますか?)
のような言い方をしても、丁寧でビジネスライクな印象です。
注目フレーズ②
I’m wondering if there’s anything you can do about the price.
(割引は可能でしょうか?)
全体を直訳すると「値段について何かあなたにできることがあるのかどうか、疑問に思っています」ですが、ここでの「値段について何かできる」は「割引できる」と理解します。
“I’m wondering if”は直訳で「~かどうか、疑問に思っています」ですが、遠まわしに「教えて欲しい」と伝えることのできる、丁寧な質問表現です。
その両方を合わせた一文は、丁寧に「割引は可能でしょうか?」と確認するためのフレーズということになるのです。
ビジネスの場で割引が可能かどうか確認するには、こちらのフレーズもお勧めです。
Could you go lower on ~ ?
Could you budge on ~ ?
(~の割引は可能でしょうか?)
2番目の“budge on”は「~についての意見・態度を変える」という意味の動詞表現ですが、価格について話している場では「~の割引をする」という意味で使えるのです。
価格について返答があったら、本当に購入するかどうか決断して相手に伝えることになりますが、その時に使えるフレーズも一緒にご紹介しておきましょう。
購入するかどうか伝えるためのフレーズ
1)購入する場合
“I’ll take ~.”
“I’ll buy ~.”
(~を購入します)
2)購入しない場合
“I’m sorry, but I don’t think I’ll take ~.”
“I’m sorry, but I don’t think I’ll buy ~.”
(すみませんが~の購入は見合わせます)
購入しない場合でも、失礼のないよう、丁寧に伝えましょう。
3)決断するのに時間が必要な場合
“I need some time before I make a decision.”
“Would you give me some time to think it over?”
(少し考える時間をください)
まとめ
他社が提供しているモノ・サービスの値段について確認し、値下げ交渉する時には、あくまで対等な立場から、丁寧でビジネスライクな表現を用いて話を進めるようにしましょう。
失礼な態度で臨んでしまうと、割引を得られないだけでなく、取引自体がうまくいかなくなる可能性が高まるからです。
今回発注に至らなくても、次回以降また良好な関係で交渉が行えるようにするためにも、ぜひ今日ご紹介したフレーズをご活用ください。
※今回の引用:
ビジネスコースのレベル7・レッスン4「Telephoning: Discussing Prices」