ビジネス

Eメールはできるだけ簡潔に

木内裕也
PEGL[ぺグル] -実践ビジネス英語講座- 講師

日本語で書かれたメールと、英語で書かれたメールを比べると、後者のほうがずっと短いということがあります。また、日本語のメールを英語に直訳すると、英語で読んでいる人がストレスを感じることも。なので直訳ではなく、英語でも自然な訳をすると、「え、これだけでいいの?」と思ってしまうほど、短くなることも少なくありません。逆に英語のメールを日本語に直訳すると、ぶっきらぼうにも読めてしまいます。

例えば、取引先から製品の納入日を再来週の金曜日から、来週の金曜日に1週間早めてほしい、と言われたらどんな返事を出すでしょうか? 英語であれば、

Good afternoon, Mika.

Thank you for your email. We can do Tuesday in two weeks, but we won’t be able to do Friday. We will need time over the weekend.

Thanks.

John

程度のメールで返信することは珍しくありません。場合によっては、Thank you for your email.すら書かないことも。「相手の頼み事なんだから、Thank youと感謝するのはおかしい」ということ。確かに、言われてみればその通り、という感じですね。しかし、これが日本語だったらどうでしょうか?

斎藤様

いつもお世話になっております。この度は、本プロジェクトに関わる機会をいただき、弊社としても最善の努力をする次第です。さて、お問い合わせいただきました納期の件ですが、来週の金曜日の納入は非常に難しい状況です。再来週の火曜日であれば可能ですが、いかがでしょうか? ご希望に添えず、誠に申し訳ございません。ご連絡をお待ちしております。

田中

このようなメールもありそうですね。日本語で読むと、さほど違和感が無いかもしれないですが、英語と日本語を比較すると、日本語のメールには本題とは関係のない情報が非常に多いと気づかれるのではないでしょうか?

日本語でメールをする場合には、このような定型文でも問題はないかもしれないですし、場合によってはこのような定型文を使わないことに抵抗感のある人もいるかもしれません。しかし、英語のメールを書く時には、簡潔に済ませることが大切です。


筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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