ビジネス

話をしやすい印象を部下に与えるコツ2

木内裕也
PEGL[ぺグル] -実践ビジネス英語講座- 講師

先週のコラムでは、オフィスのドアを開けておくことの持つ意味、そしてその重要性について書きました。多くの企業が次第にリモートビジネスから、コロナ前のようにオフィスに出社して仕事を行うように移行しているようですが、それでもリモートでのビジネスは多いですし、完全にコロナ前の様な状況にはならないでしょう。

リモートワークになったことで、気軽に話をするのが難しくなったとも言われています。例えば、以前であれば休憩時間に同僚とちょっと意見交換をしたり、昼食中に上司と話をする機会があったりしたかもしれません。もしくは、Open door policyをもった上司であれば、「ちょっとすみません」と上司に話しかけることができたかもしれません。それぞれの人が自宅などから仕事をする環境だと、このようにちょっと声をかける、というのが難しくなりますね。

ちょっとした相談事などがあった場合、Eメールを送るのも気が引けます。すでに大量のメールが届く毎日ですから、追加のメールを送りたくないという気持ちになるでしょう。電話を掛けるのも気が引けます。自分のちょっとした相談事のために、いきなり電話をするのも勇気がいるかもしれません。何か構えてしまうかもしれませんし、「そんな大きな心配事ではない」という気持ちにもなります。

心配事や相談ではなくても、気軽に話をするだけで組織の団結感が生まれたり、組織の雰囲気が良くなることもありますね。リモートワークになってそのようなコミュニケーションがとりにくくなりました。皆さんが組織の上に立つ立場であったら、どうしますか? 「リモートワークとはそういうものだ」とあきらめてしまうでしょうか?

1つのアイデアとしてあるのが、Zoomなどを使ったオフィスアワーです。例えば15時から1時間、Zoomで自由に連絡してください、というもの。毎週水曜日の15時から1時間、という風に定例で設定することもできます。Waiting roomを使うことで、実際のオフィスのように、話をしたい人が複数いる場合は待っていてもらうこともできます。1人目の話が終わったら、2人目をWaiting roomから呼び込む、というシステムです。特に誰も話に来なければ、Zoomなどはログインしたままの状態にして、仕事をすることもできます。誰かが入室したら、話をします。

このような手法を使うことで、上司が部下に対して、もしくは同僚同士で、話をしやすい環境を作ることができます。


筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
https://pegl.ohmae.ac.jp/lecturer/kiuchi
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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