異文化コミニケーションでの話題選び

海外出張や海外駐在の際に、外国人を交えてのパーティーや懇親会に参加される方もいらっしゃると思います。
英語を聞き取るのに必死という方も多くおられると思いますが、外国人との会話においては、いわゆるタブーとされる事柄やデリケートな話題に触れないよう十分な配慮が必要です。特に欧米では、初対面での会話のマナーを厳しく見る傾向があります。
今回は、異文化コミニケーションにおける話題選びへの配慮について考えてみます。

避けるべきタブーやデリケートな話題

まず、基本的に避けるべき話題として、政治や宗教、主義等を挙げることができます。特にアメリカでは、昨今、政治に関して国民の分断が進み、人種差別も改めて大きな話題となる等、人によって考え方が全く異なることが明らかです。それを前提に、パーティー等の開かれた場所では、誰もが、それぞれの政治的な主義、思想について、踏み込んだ会話にならないよう配慮をしています。

また、年齢や結婚歴の有無、LGBTQも含めた性別等もデリケートな話題です。最近では、日本でも意識が変わってきていますが、多様性の尊重する意識は世界中で広がっています。例えば、「子供を作らないのか?」という質問自体も、国によってはプライベートに踏み込み過ぎていたり、セクハラに当たると判断される場合もあるので注意が必要です。不用意な発言によって、誤解を招くだけでなく、その場にいる誰かを傷つけてしまうリスクがあるのです。

本音で話せる間柄

そうは言っても、人間本音で話さないと相手のことをよく知ることはできません。外国人も考えていることは同じで、付き合いが長くなると、徐々にプライベートな話もしてくれるようになります。例えば、私がアメリカに勤務していた頃に出会った同僚は、二人での食事の際には、積極的に政治の話をしてくれました。
このように、アメリカ人は、パブリックとプライベートの場を厳密に区別しているようでした。

配慮の程度は地域によっても異なる

欧米に比べると、南米やアジアの方が、皆気にせず話題を選ぶ印象があります。例えば、結婚しているのか、子供を作らないのかといった話は、南米やアジアの方が、初対面でも、遠慮せずに話題に出す傾向にあるように思います。日本もどちらかと言えば気にしない方かも知れませんね。


このように、国や地域によっても、話題選びへの配慮の程度は異なりますが、常に相手に応じたコミニケーションを取れることが理想だと思います。

【筆者】
大手グローバル企業の管理部門に勤務するビジネスパーソン
TOEICは990点(IP)、米国での駐在勤務経験、米国大学院留学経験、米国司法試験合格実績あり

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